2017年3月17日金曜日

数学入門 - 数学がわかる

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。ポイントだけを残していきます。

今回は数学全般の入門です。テキストとして、お世話になっているFirst Bookシリーズの「数学がわかる:書籍案内|技術評論社」を読んでみました。代数学の初歩とかの話題を期待していたんですけど、読んでみると高校レベルの数学を学生さんが興味を持てるように解説してくれている本でした。高校生にはちょっと先取りな話もちょこちょこあったりして、なかなか読み応えがあると思います。

私にとってはちょっと目的と違っていましたが、せっかく読んだので学んだところは記載し、その他はキーワードをあげ、ログとしたいと思います。ブロクだけに。(いえ、ねたじゃないです)

教材

  • First Book 数学がわかる
    表紙
    著者: 山田 研也
    出版社: 技術評論社
    発行日: 2008-1-11
    ISBN: ISBN978-4-7741-3333-1
    価格: C3041 ¥1780E
    書籍サイト: 数学がわかる:書籍案内|技術評論社 (amazon)

    学習範囲
    第1章 解けない方程式なんてない! → 数と方程式
    第2章 複雑な計算を解くための武器を手に入れろ! → いろいろな方程式
    第3章 美しい図形の話! → 図形と方程式
    第4章 並んだ数の性質を見抜く! → 数列
    第5章 矢印を移動して図形を考える! → ベクトル
    第6章 「極限」まで努力することが大事! → 微分・積分
    第7章 試せば予想できる! → 確率

第1章 解けない方程式なんてない! → 数と方程式

1-1 式と計算

  • 数学に文字を導入する理由
  • 交換法則、結合法則、分配法則
  • 展開公式
  • 分数式
  • 因数分解

1-2 因数分解

  • 素因数分解、因数分解
  • 展開公式を利用した因数分解
  • 立方の和、差
  • 因数定理の活用
  • 複2次式

1-3 方程式

  • 恒等式と方程式
  • 2次方程式の解法
  • 解の公式

1-4 複素数、高次方程式

  • 有理数、無理数、虚数
  • 複素数の四則演算
  • 共益な複素数
  • 負の数の平方根
  • 高次方程式の解き方
  • 代数学の基本定理 (ガウスの定理)
    n次方程式は複素数の範囲内でn個の解を持つ。

第2章 複雑な計算を解くための武器を手に入れろ! → いろいろな方程式

2-1 2次関数のグラフ

  • 関数とは
  • 2次関数
  • 2次関数のグラフの平行移動
  • 平方完成
  • 放物線

2-2 三角比・三角関数

  • 正弦・余弦・正接の意味
  • 三角比・特殊な角度の三角比の値
  • 三角比の拡張
  • 三角関数
  • 動径、始線、一般角

2-3 指数関数

  • 10進数
  • 指数法則
  • 累乗根、有理数の指数
  • 0、負の数の指数
  • 指数関数のグラフとその性質

2-4 対数関数

  • 対数
  • 対数の性質

第3章 美しい図形の話! → 図形と方程式

3-1 三角形の五心

  • 垂直二等分線の性質
  • 三角形の合同条件
  • 外心、外接円
  • チェバの定理
  • 重心、内心、垂心 (チェバの定理による証明)
  • 傍心
  • 外心、重心、垂心の関係

3-2 正弦定理、余弦定理

  • 正弦定理
  • 余弦定理
  • 三角測量 (正弦定理の応用)

3-3 図形と方程式

  • 中線定理
  • 座標
  • 解析幾何学、初等幾何学(ユークリッド幾何学)
    既に証明されている定理を活用したり補助線をひいたりしながら図形の性質を明らかにする幾何学を初等幾何学(ユークリッド幾何学)という。座標を導入して図形の性質を明らかにする幾何学を解析幾何学という。
  • 軌跡
  • 図形と方程式
  • 円の方程式

第4章 並んだ数の性質を見抜く! → 数列

4-1 等差数列、等比数列

  • 数列、項、初項、一般項
  • 等差数列、公差
  • 等比数列、公比
  • 等差数列の和
  • 等比数列の和

4-2 数列の和

  • 数列の和
  • の性質
  • 平方数の和

4-3 数学的帰納法

  • 基本方針

第5章 矢印を移動して図形を考える! → ベクトル

5-1 ベクトル

  • 向きと大きさ
  • 有向量
  • 位置を問題にしない有向量
  • ベクトルの加法、減法、実数倍
  • ベクトルの分解
  • 中点連結定理のベクトルを使った証明

5-2 ベクトルの内積

  • 積の定義
  • 交換法則、分配法則、結合法則
  • 正射影ベクトル

5-3 数ベクトル、内積と成分

  • 幾何ベクトル、数ベクトル
  • 成分表示、成分、基底ベクトル
  • 一次結合
  • 数ベクトルの加法、減法、実数倍
  • 基本ベクトル
  • 成分による内積の計算
  • ベクトルのなす角

第6章 「極限」まで努力することが大事! → 微分・積分

6-1 微分法

  • 平均速度と瞬間速度
  • 極限
  • 極限値
  • 微分係数
  • 導関数
  • 微分する

6-2 導関数とその応用

  • 最大値
  • 微分係数の図形的意味
  • の導関数の導出
  • 導関数の性質
  • 増減表とグラフ
  • 単調に増加、単調に減少、極大値、極小値

6-3 積分法(1)

  • 区分求積法

6-4 積分法(2)

  • 定積分
  • 下端、上端、被積分関数
  • 定積分の基本性質

6-5 微分積分学の基本定理

  • 微分積分学の基本定理の証明
  • 微分積分学の基本定理の導出

第7章 試せば予想できる! → 確率

7-1 確率、順列

  • 確率
  • 場合の数
  • 試行、事象
  • 樹形図
  • 積の法則
  • 和の法則
  • 並び方の総数、順列
  • 自分中心主義

7-2 組み合わせ、反復試行

  • 独立な事象の確率
  • 順序を気にしない取り出し方
  • 反復試行の確率

7-3 期待値

  • 確率変数
  • 期待値
  • 数学的確率
  • 大数の法則 (ベルヌーイ)

微分積分入門 - 微積積分がわかる

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。ポイントだけを残していきます。

今回は微分積分入門です。今回微分積分の復習をするにあたって大昔の教科書を引っ張り出してきましたが、結構難易度が高いんですよね。なので入門編ということで、線形代数入門でもお世話になった技術評論社の微分積分がわかる:書籍案内|技術評論社を使って復習を始めてみたいと思います。なお、内容的には高校数学の範囲が結構あるようなので、ちょっとかっとばして行くつもりです。

大学初年度あたりだと次のような構成になっていると思います

  1. 微分 (テイラーの定理、整級数、…)
  2. 偏微分 (陰関数、写像、曲線、…)
  3. 積分 (不定積分、定積分、面積、長さ、体積、近似値、…)
  4. 重積分 (線積分、グリーンの定理、…)
  5. 微分方程式 (線形微分方程式、…)

そして鬼門なのがε-δ論法(イプシロン-デルタろんぽう)ですね。突っ込んで考えるとたぶん思考停止するので、軽く触れるくらいで進めたいと思います。

今回のテキストではかなりの部分が載っていないです。あるのはテイラーの定理くらいでしょうか。ε-δ論法も説明がありません。なのでかなり気楽です(笑

なお、テキストに登場するAくんと先生、線形代数のものと同一人物のようなのですが、Aくん、結構優秀です。線形代数のほうが後で出版されているのに、大学で腑抜けて劣化しちゃったんでしょうか…心配です(うそ

教材

  • First Book 微分積分がわかる
    表紙
    著者: 中村厚、戸田晃一
    出版社: 技術評論社
    発行日: 2009-5-1
    ISBN: ISBN978-4-7741-3815-2
    価格: C3041 ¥1780E
    書籍サイト: 微分積分がわかる:書籍案内|技術評論社 (amazon)

    学習範囲
    序章 出会い
    アナログとデジタル
    実数とは何か
    関数と写像
    第1章 1次・2次関数とその導関数
    1-1 1次関数
    2-2 2次関数とその接線
    第2章 いろいろな関数とその微分法
    2-1 n次関数とその導関数
    2-2 有理関数と代数関数
    2-3 三角関数と導関数
    2-4 指数関数と対数関数
    第3章 面積を求める
    3-1 グラフが囲む面積
    3-2 微積分学の基本定理
    第4章 不定積分の計算
    4-1 基本的な不定積分
    4-2 簡単に積分するには
    4-3 いろいろな技法
    第5章 平均値の定理とその応用
    5-1 平均値の定理
    5-2 不定形の極限値
    5-3 関数の値を近似する -テイラーの定理-

序章 出会い

  • キーワード
    o アナログとデジタル o 実数とは何か o 関数と写像

  • 学んだこと
    実数の中にも有理数、無理数といった分類があり、連続を考える上で考慮する必要が有ること

第1章 1次・2次関数とその導関数

1-1 1次関数

  • キーワード
    o 直線のグラフ o 次数 o 係数の意味 o 直線の傾き

2-2 2次関数とその接線

  • キーワード
    o 曲線の話 o 接線 o 2次方程式の重解 o 微分係数

  • 学んだこと
    傾きを極限で考える。

第2章 いろいろな関数とその微分法

2-1 n次関数とその導関数

  • キーワード
    o 導関数とは o の導関数 o 和の微分公式 o 積の微分公式 o 合成関数の微分

  • K先生の独り言「ある定数
    2項係数についての説明。

  • K先生の独り言「合成関数の微分公式」
    合成関数の微分公式は、関数の積の極限は、それぞれの関数の極限の積と等しいことから成り立つ(極限値の公理、または連鎖律)により説明される。


2-2 有理関数と代数関数

  • キーワード
    o の導関数 o 商の微分公式 o の導関数 o 代数関数の導関数

  • K先生の独り言「微分できない点」
    不連続な点を除外する理由。

  • K先生の独り言「の導関数」
    定義に従った導関数導出。


2-3 三角関数と導関数

  • キーワード
    o 弧度法 o 基本的な三角関数 o 周期性と相互関係 o 加法定理 o o 三角関数の導関数

  • 学んだこと
    加法定理は回転の合成を意味している。

  • K先生の独り言「回転の式」
    加法定理による回転の式の確認。


2-4 指数関数と対数関数

  • キーワード
    o 指数法則 o 指数関数 o 指数関数のグラフ o 自然対数の底 o 指数関数の導関数 o 対数関数 o 対数法則 o 対数の利用 o 底の変換 o 対数関数の導関数

  • K先生の独り言「自然対数関数の導関数」
    定義に従った導関数導出。

  • K先生の独り言「冪関数の導関数」
    指数・対数関数を使った導関数導出。

第3章 面積を求める

3-1 グラフが囲む面積

  • キーワード
    o 直線が囲む面積 o 曲線が囲む面積 o 微積分学の基本定理

  • K先生の独り言「自然数の平方和」
    自然数の平方和の公式導出。


3-2 微積分学の基本定理

  • キーワード
    o 証明の方針 o 面積の極限値 o 積分記号の導入 o 定積分の性質 o 負の面積

第4章 不定積分の計算

4-1 基本的な不定積分

  • キーワード
    o 導関数の公式から o 冪関数の不定積分 o の不定積分 o 三角関数の不定積分 o 指数関数の不定積分

  • K先生の独り言「逆三角関数」

    それぞれとも書く。
    それぞれの微分は


4-2 簡単に積分するには

  • キーワード
    o 積分中の定数 o 項別積分 o 置換積分

  • K先生の独り言「置換積分の公式」
    置換積分の公式の証明。


4-3 いろいろな技法

  • キーワード
    o 部分積分 o 部分分数分解

  • K先生の独り言「有理関数の不定積分」
    一般に有理関数の不定積分は以下の3種に分類され、組み合わせることで積分する。

    1. 対数関数になる
    2. 不冪関数になる
    3. 関数になる

第5章 平均値の定理とその応用

5-1 平均値の定理

  • キーワード
    o ロル(Rolle)の定理 o 平均値の定理

  • 学んだこと

    • ロルの定理
      関数で連続、開区間で微分可能であるとき

      となるは存在する。

    • 平均値の定理 (ラグランジュの平均値の定理)
      関数で連続、開区間で微分可能であるとき

      となるは存在する。

  • K先生の独り言「ロルの定理」
    ロルの定理の証明。

  • K先生の独り言「平均値の定理」
    平均値の定理の証明。


5-2 不定形の極限値

  • キーワード
    o 不定形 o コーシー(Cauchy)の平均値定理 o ロピタル(de l’Hôpital)の定理

  • 学んだこと

    • コーシー(Cauchy)の平均値定理
      で連続、開区間で微分可能、区間内の各点であるとき

      となるは存在する。

    • ロピタル(de l’Hôpital)の定理
      であり、にならず、微分可能であるとき

  • K先生の独り言「コーシーの平均値定理」
    コーシーの平均値の定理の証明。


5-3 関数の値を近似する -テイラーの定理-

テイラー展開、マクローリン展開において剰余項の説明はない。別のテキストで学習すること。

  • キーワード
    o 接線で近似する o 近似精度を高める

  • 学んだこと

    • 微分を使った近似値の考え方
      近似値
      ある関数がわかっているとき、の大体の値を求める。グラフより

      である。ここで平均値の定理

      について解くと

      となり、これはにおける接線の傾きを持つ直線が存在するという意味である。
      近似値2
      に非常に近い点であるので、に非常に近い。よってにおける微分係数の代わりにでの微分係数を使っても大きく違わない。これが近似の意味である。

    • 1次の近似式

    • 2次の近似式

    • テイラーの定理、テイラー展開


      が成り立つようなの間に存在する。この式をテイラー展開という。

    • マクローリンの定理、マクローリン展開
      関数微分可能ならば、区間内の任意のにおいて

      と表される。この式をマクローリン展開という。

  • K先生の独り言「テイラーの定理」
    テイラーの定理の証明。

参考サイト

2017年3月15日水曜日

線形代数入門 書籍 線形代数がわかる(4) 行列の特性を引き出す

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。ポイントだけを残していきます。

今回は線形代数入門 第4回(最終回)です。今回はテキストの第4章 行列の特性を引き出すです。一週間くらいで終わるかな、と思っていたんですが、やはり結構かかってしまいました。でもしっかり理解できた気がします。線形代数は解析学や統計学でも頻出する数学の道具なので、先にやる意味が強くあったと思います。ああ、他の科目もまだまだ控えてるんだなぁ…

教材

  • First Book 線形代数がわかる
    表紙
    著者: 中村厚、戸田晃一
    出版社: 技術評論社
    発行日: 2010-9-25
    ISBN: ISBN978-4-7741-4346-0
    価格: C3041 ¥1780E
    書籍サイト: 線形代数がわかる:書籍案内|技術評論社 (amazon)

    学習範囲 (太文字の章節がこの記事の対象)
    序章 プロローグ
    ベクトルとは
    線形代数の意味
    行列と行列式
    物理と線形代数
    第1章 ベクトルとスカラー
    1-1 ベクトルのすみか
    1-2 ベクトルのスカラー倍、和と差
    1-3 基底ベクトル
    1-4 内積
    1-5 外積
    第2章 行列と連立一次方程式
    2-1 行列とその演算
    2-2 連立一次方程式とガウスの消去法
    2-3 逆行列
    2-4 逆行列がない!
    第3章 行列式とその応用**
    3-1 行列式って何?
    3-2 行列式の仕組み
    第4章 行列の特性を引き出す
    4-1 固有値と固有ベクトル
    4-2 対角化とは

行列の特性を引き出す

4-1 固有値と固有ベクトル

  • 固有ベクトル、固有値
    あるベクトルをある行列により変換したときに、方向が同じとなるベクトルをその行列の固有ベクトルという。またその行列で変換したときに変わるベクトルの大きさを固有値という。

  • 固有値の求め方
    行列の固有値を、固有ベクトルをとする。固有ベクトルに行列をかけるとそのベクトルに固有値倍したベクトルとなるので

    である。これより

    これより

    ここで

    はこの連立方程式の自明な解であるが、ベクトルは固有ベクトルになりえないので、自明な解以外を探す。このとき連立方程式が自明な解以外をもつためのの条件は、の左辺の行列が非正則行列であること、すなわち逆行列がないこと(行列式が)こと。すなわち(1)より行列式を求める式は以下となり、これを固有方程式という。

    ここでは下記方程式の解となる。

    これはに関する2次方程式であり、虚数解を含む。解が虚数のときは固有ベクトルは平面では図示できない。
    また重解を持つときは、固有ベクトルが0となる、すなわちどんなものでも固有ベクトルになる場合と、固有ベクトルが存在する場合がある。

  • まとめ
    行列の固有値は、固有方程式

    の解である。それぞれの固有値に対して固有ベクトルの方向が定まり、

    のように、行列は固有ベクトルの方向を向いたベクトルを倍する。

4-2 対角化とは

例)
行列

の固有値を求める。固有方程式より

また固有ベクトルは

を代入し
のとき

のとき

よって固有値と固有ベクトルの関係は

となり、これを1つの式にまとめる。まず、固有ベクトルをならべた以下の行列を考える。

この行列にもとの行列Aを左から掛ける。

まとめると以下のようにかける (ここで登場する最後の項の行列が意味不明。どうやって作ったの?)


ここで、式をまとめるときの考え方の説明がなく、突然新しく数値の入った行列が登場する。なぜ新しい値の入った行列が出てくるのか意味をつかむことができない。
なお、線型代数[改訂版]|日本評論社のp.61-62にかけての説明を読むとやりたそうなことは理解できた。固有値を対角に並べた行列を対角行列といい、その解説を具体的な数字がはいった行列でしたかったようだ。しかしそのことも書いていないので、私のような入門レベルの読者は意味がつかめず、頭を悩ますことになった。何が入門なのか… Aくんがわからないのも当然だ。えーっと、そうですね、しか言ってなくって、せっかく最後なんだからちょっとはわかったことを言わせてあげてよ、とかおもっちゃう。


ここで、対角線上にのみ成分を持つ行列を対角行列という。
対角行列をとすると先の例

より

である。すなわち

である。ある行列を正則行列とその逆行列ではさんで変形することを、行列の相似変形という。また相似変形をして対角行列にすることを対角化という。

対角化の応用 フィボナッチ数列
  • フィボナッチ数列
    以下の漸化式で定義される数列。番目のフィボナッチ数をとする。

  • 行列によるフィボナッチ数の算出
    フィボナッチ数列を作る漸化式と、式により行列を作成する。

    ここで行列、ベクトル

    とすると

    とかける。ここで

    である。
    を求めるため、を対角化する。固有方程式より

    これより

    である。(を黄金比という)
    次にの固有ベクトルを求める。より

    これより

    よって固有ベクトルは

    である。固有ベクトルをまとめた行列、対角行列をとして

    より

    ここで

    よりの算出を簡易化するため、作成した対角行列を用いて計算する。具体的には

    より

    これより

    となる。これより

    ここでより

    さて、ここでの極限値を求める。

    よって

    となる。十分大きいに対しての項を無視することができ、

    である。ベクトルの成分の比は十分大きなに対して

n × n行列の対角化

n次正方行列でも2次正方行列と同様に対角化ができることを説明している。


  • まとめ 行列の対角化の手順
    の固有値が全て相異なるものとするとき
    1. 固有方程式をとき、固有値を求める。
    2. 各固有値に対応した固有ベクトルを並べた行列を作る。
    3. の関係からとなる。は対角行列で、各成分はの固有値である。

線形代数入門 書籍 線形代数がわかる(3) 行列式とその応用

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。ポイントだけを残していきます。

今回は線形代数入門 第3回です。今回はテキストの第3章 行列式とその応用です。第2章まででテキストは半分以上が終わりました。ここからもじっくりいきたいと思います。

行列に関して学習を進めていくと、いわゆる実数の演算とは少し趣が異なることがわかってきます。演算の特徴ってどうなっているのかな、人間が直感的に把握できる3次元を超えた次元ではどうなっているのかな、などなど。さて、もう少し行列の特徴について復習を進めます。

「逆行列の公式」では、他の書籍とはだいぶ違った説明がされていますが、私には理解ができませんでした。アマゾンのレビューでも第3章でついていけなくなる人がいたようです。同じところで引っかかったのかなぁ。
なお、線形代数の次の教科書として線型代数[改訂版]|日本評論社を考えています。408ページもあるので大変ですが、頑張ってみたいと思います。

教材

  • First Book 線形代数がわかる
    表紙
    著者: 中村厚、戸田晃一
    出版社: 技術評論社
    発行日: 2010-9-25
    ISBN: ISBN978-4-7741-4346-0
    価格: C3041 ¥1780E
    書籍サイト: 線形代数がわかる:書籍案内|技術評論社 (amazon)

    学習範囲 (太文字の章節がこの記事の対象)
    序章 プロローグ
    ベクトルとは
    線形代数の意味
    行列と行列式
    物理と線形代数
    第1章 ベクトルとスカラー
    1-1 ベクトルのすみか
    1-2 ベクトルのスカラー倍、和と差
    1-3 基底ベクトル
    1-4 内積
    1-5 外積
    第2章 行列と連立一次方程式
    2-1 行列とその演算
    2-2 連立一次方程式とガウスの消去法
    2-3 逆行列
    2-4 逆行列がない!
    第3章 行列式とその応用
    3-1 行列式って何?
    3-2 行列式の仕組み
    第4章 行列の特性を引き出す
    4-1 固有値と固有ベクトル
    4-2 対角化とは

行列式とその応用

3-1 行列式って何?

  • 外積の性質
2次正方行列の行列式
  • 行列式の考え方
    行列において各行をベクトルと考えたとき、それらが独立かどうかを外積で判断することができる。

  • 2次正方行列の行列式

  • 転置行列
    もとの行列の行と列を入れ替えた行列を転置行列といい、以下で表す。
    としたとき
    転置行列の行列式はもとの行列と同じ。

3次正方行列の行列式
  • 3次正方行列の行列式
外積と内積での行列式の考え方

3次正方行列を3つのベクトルと考え、それらが互いに独立であるかどうかを調べる。
まずが独立であるかを外積で調べ、さらにその外積とが直行しているかどうかをそれらの内積で調べる。これを三重積という。
求めた結果は行列式であり、であれば従属、でなければ独立。

行列の行の入れ替え

外積の性質より

である。これは行列において第行目と第行目を入れ替えたものといえる。すなわち行列において行を交換すると、行列式の符号が変わる。

  • 巡回置換
    として
  • 行列式の行について成り立つ関係は列に関しても成り立つ。

  • 行列式の特徴
    • 行列式では行列の各行から作ったベクトルが独立かどうかを判定することができる。
    • 行列式の行を入れ替えると符号が変わる。
    • 転置行列の行列式は、もとの行列の行列式と等しい。

3-2 行列式の仕組み

小行列式と余因子


としたとき

である。括弧内に注目するとこれは以下の行列式となっている。

次正方行列の第行と第列を除いた部分から作成した行列式をの第小行列式という。また第小行列式に符号をつけたものを第余因子といいで表す。行列式を余因子を用いて表すことを行列式を展開するという。

行列式の展開

行列式はどの行でも展開できる。行列の成分の余因子をで表し、展開式は以下のようにかける。

  • クロネッカーのデルタ
    クロネッカーのデルタを下記で定義する。添字が一致したときにだけ、それ以外はすべてという意味。

    定義よりである。
    クロネッカーのデルタを使って行列式を表現すると次のようになる。
逆行列の公式

以上で下準備ができたようですが、この先の説明がわかりませんでした。p.151-154で逆行列の公式を求めるを説明しようとしているが、何を気づかせようとしているのかが見当がつきません。以下、該当部分の話の流れです。

  1. 3次正方行列の第3行についての展開式を復習。
  2. 1.の第1行目と第3行目が等しい成分の行列式(0になる)を作成。
  3. 2.を第3行について余因子展開。
  4. 1.を第3行について余因子展開。
  5. 1.と2.の展開式を比較し、余因子と成分の添字が揃っていることを認識させる。
  6. 2.の行列を第k行について余因子展開。
  7. 1.の行列を第k行について余因子展開。
  8. 「これら2つの式」が似ていることを認識させる。どの2つの式のこと?
  9. クロネッカーのデルタが登場。
  10. クロネッカーのデルタで1つのまとめてかける事を主張。
  11. クロネッカーのデルタで「これら2つの式」をまとめて書く。
  12. クロネッカーのデルタで逆行列を表現。

2.で考えようとしている行列の意味や、8で似ているといっているものや、何と何を合わせてまとめるのか、なぜまとめることができるのか、つかむことができません。学生のAくん、よくついていけるなぁ、とおもったけど、ついていってなさげなのがまたこのテキストのいいところ。
12.ではクロネッカーのデルタを単位行列ととらえ、逆行列の公式を導出したことになっているが、途中経路が負えないため、理解不能でした。きっと何かに気づかせようとしてくれているんだろうけど、気づくことができませんでした。残念です。
なお、一般的な教科書では置換、互換を使った行列式の定義がされています。そのほうがわかりやすい気がします。

連立方程式の解法であるクラメルの公式については参考サイト「クラメルの公式の丁寧な証明 - 理工系数学のアラカルト -」を参照のこと。

行列の積と行列式
  • 行列の積と行列式
    行列において、その積の行列式は、それぞれの行列の行列式の積と等しい。

  • 置換
    までの並びかえを以下のように書く。これを文字の置換という。

    例) 通り

    文字の入れ替えを偶数回したものを偶置換、奇数回したものを奇置換という。


  • ある置換が偶置換か奇置換かにより値が決まる関数を関数という。

  • の行列式
    置換とを用いて下記で表す。


  • 行列式は、各行あるいは各列について展開できる。
  • 逆行列を明示的に求める公式がある。(クラメルの公式。ただし計算量が多く、ガウスの消去法で求めるほうが効率的)
  • 正方行列の積の行列式はそれぞれの行列式の積。

参考サイト

2017年3月10日金曜日

線形代数入門 書籍 線形代数がわかる(2) 行列と連立1次方程式

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。ポイントだけを残していきます。

今回は線形代数入門 第2回、テキストの第2章 行列と連立一次方程式です。ついに憧れ(?!)の行列登場です。そして行列を使ったガウスの掃き出し法による連立一次方程式の解法です。

テキストでは、逆行列が存在しない行列を具体例で解説しているので、抽象的な内容がとてもわかりやすくなっています。またコラムも本文にとても関連があることで、発展的な内容を含んでいてとてもためになります。核とかしっかり調べてみたら代数学にあるんですね。すっかり忘れていましたよ、ほんと。

久しぶりに行列で連立方程式をときました。むかし初めて行列で連立一次方程式を説いたときの感動がよみがえってきて、とても新鮮な気持ちに慣れました。さぁ、あなたもどうですか? (謎 ではでは復習をはじめます。

教材

  • First Book 線形代数がわかる
    表紙
    著者: 中村厚、戸田晃一
    出版社: 技術評論社
    発行日: 2010-9-25
    ISBN: ISBN978-4-7741-4346-0
    価格: C3041 ¥1780E
    書籍サイト: 線形代数がわかる:書籍案内|技術評論社 (amazon)

    学習範囲 (太文字の章節がこの記事の対象)
    序章 プロローグ
    ベクトルとは
    線形代数の意味
    行列と行列式
    物理と線形代数
    第1章 ベクトルとスカラー
    1-1 ベクトルのすみか
    1-2 ベクトルのスカラー倍、和と差
    1-3 基底ベクトル
    1-4 内積
    1-5 外積
    第2章 行列と連立一次方程式
    2-1 行列とその演算
    2-2 連立一次方程式とガウスの消去法
    2-3 逆行列
    2-4 逆行列がない!
    第3章 行列式とその応用
    3-1 行列式って何?
    3-2 行列式の仕組み
    第4章 行列の特性を引き出す
    4-1 固有値と固有ベクトル
    4-2 対角化とは

第2章 行列と連立一次方程式

2-1 行列とその演算

  • 行列の形
    縦に個、横に個の数が並んだ行列をの行列という。

  • 正方行列
    行数と列数が同じ行列。のとき。

  • 行列の成分
    行列中のそれぞれの数のこと。一般に第行、第列といい、で表す。
    例)

  • 行列の和、差、スカラー倍
    行列の形が同じならば、それぞれの同じ場所にある成分の加法・減法によって和、差が作れる。

  • 行列の乗法
    の列数との行数が等しいとき、積を作ることができる。積がともに作れる場合でも一般にである。この性質を行列の非可換性という。
    例)

  • 行列の乗法の書き下し
    行列成分を、成分を成分をとすると

    ここでのそれぞれ列数、行数。

  • 行列の結合法則

2-2 連立一次方程式とガウスの消去法

  • ガウスの消去法 (掃き出し法)
    連立次方程式は ガウスの消去法によって解くことができる。ガウスの消去法で使われる行列の行基本変形は下記3つ。
    1. ある行を何倍かする
    2. ある行を何倍化して別の行に加える(別の行から引く)
    3. ある行と別の行を入れかえる

例)
下記連立1次方程式をガウスの消去法により解く。

1. 上記を行列で表現する。

2. これを下記のようにあらわす。

3. 行目の列目をにするため、行目にを掛けて行目から引く。

4. 行目の列目をにするため、行目にを掛ける。

4. 行目の列目をにするため、行目にを掛けて行目から引く。

  • 単位行列
    行列の成分からみた対角成分が、それ以外がの行列。

  • 三角行列
    行列の対角線より下をとした行列を上三角行列という。

  • 前進消去、後進消去
    ガウスの消去法において上三角行列を作成すること。後進消去はそこから単位行列を作成すること。

  • 後進代入
    前進消去が完成した段階で、一行上の方程式に最終行の解を代入し、次々と解を求めていく方法を後進代入という。

2-3 逆行列

  • 逆数、単位元
    ある数に掛けてとなる数を乗法の逆数という。またを乗法の単位元という。例えば実数に対して逆数を掛けて単位元を得る、などという。
    行列における単位元は単位行列。

  • 逆行列
    あるに掛けたとき、結果がの単位行列となる行列を逆行列といい、で表す。定義より以下が成り立つ。

    また下記性質を持つ。


    証明)

    また


  • の逆行列の求め方

    1. と同じサイズの単位行列を右側に並べ、行列を作る。
    2. この行列に対して行基本変形を行い、の部分を単位行列に変形する。このとき部分にも同じ行基本変形を適用する。
    3. 完了したとき右側の部分が逆行列である。
  • 基本行列
    掃き出し法で、基本変形に対応した行列を基本行列といい、と表す。ここでは変形の順番を表す数。
    基本行列を用いてガウスの消去法を表現すると下記のようになる。

    基本行列の積の逆行列。

  • 線形写像
    行列と行列の積を考えるとき、

    において、に変換する操作ととらえ、これを線形変換、または1次変換という。またあるベクトルを別のベクトルに写しているとも考えることができ、線形変換を線形写像ともいう。
    厳密な定義は別途他のテキストにあたること。

2-4 逆行列がない!

  • 正則行列
    逆行列を持つ正方行列のことを正則行列という。

  • 非正則行列
    逆行列を持たない正方行列のことを非正則行列という。基本変形をしてある行がすべてになればその正方行列は非正則行列である。

  • 連立一次方程式の解
    連立1次方程式において、正方行列が非正則なら解はひとつに決まらないか、または解はない。


  • 連立一次方程式は、によってに写されるを求める問題である。このような性質を持つを線形写像の核という。
    が正則行列(逆行列を持つ)とすると

    であり、の解はだけである。これを自明な核という。
    非正則行列では、2次元の場合は解は直線などとなり、これを自明でないという。

    参考としてときわ台学/線形代数学入門(連立一次方程式,行列,テンソル入門)の講義ノートの目次の「2.2.3 連立方程式の解法の幾何学的な意味」を参照。参考サイトの線形代数学入門を通読したほうが理解が早い。

参考サイト

  • ときわ台学/線形代数学入門(連立一次方程式,行列,テンソル入門)の講義ノートの目次
    こちらのサイトの記事もとてもわかりやすいです。今やっているテキストが終わったら、知識の整理と深掘りをするのにちょうどいい内容です。線形代数はPDFが無料で公開されています。他にも有料でPDFを公開されていらっしゃいますね。本文はインターネットのブラウザでも読めますが、読みやすさはPDFに軍配が上がります。機会があったら購入してみようと思います。本当にずいぶん助かりました。
2017年3月9日木曜日

線形代数入門 書籍 線形代数がわかる(1) ベクトルとスカラー

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。ポイントだけを残していきます。

今回から大学で学ぶ数学をやっていきます。まずは高校数学にも行列として登場していた線形代数から始めたいと思います。私の時代にはきっちり行列の演算があったんですが、いまは発展的な数学のなかで教えられているようです。学校によっては理系でも学習していないことがあるみたいですね。って年がバレるね(笑

大学での教科書は理論と計算がバリバリですが、意味的なことを吸収するのは自分で考える必要がありました。なかなか楽しかったですが、遅々として進まないことも往々にしてありました。今回の学習のために教科書として選んだこの書籍、線形代数がわかる:書籍案内|技術評論社 (amazon)ですが、すごく難しい内容をとってもわかりやすく解説してくれています。要所要所にキーワードがうめこまれてて、インターネットで調べながら勉強すると、すごく簡単に今まで疑問だったことが理解できるようになってきました。この書籍を選んで本当によかったと思います。いい時代になりました。

私の記事では要点しか書いていませんので、読んでも「ふーん」って感じなんですが、もし線形代数が苦手な人はぜひこの書籍を手にとって読んでみてください。今までの理解を総整理でき、また目からウロコなことがたくさんあって、数学にとても親しみが持てるようになると思います。人生が豊かになること請け合いです(謎

さて、今回は「プロローグ」と「第1章 ベクトルとスカラー」です。この書籍では、高校生でも理解できるよう配慮されています。安心して取り組みましょう。

教材

  • First Book 線形代数がわかる
    表紙
    著者: 中村厚、戸田晃一
    出版社: 技術評論社
    発行日: 2010-9-25
    ISBN: ISBN978-4-7741-4346-0
    価格: C3041 ¥1780E
    書籍サイト: 線形代数がわかる:書籍案内|技術評論社 (amazon)

    学習範囲 (太文字の章節がこの記事の対象)
    序章 プロローグ
    ベクトルとは
    線形代数の意味
    行列と行列式
    物理と線形代数
    第1章 ベクトルとスカラー
    1-1 ベクトルのすみか
    1-2 ベクトルのスカラー倍、和と差
    1-3 基底ベクトル
    1-4 内積
    1-5 外積
    第2章 行列と連立一次方程式
    2-1 行列とその演算
    2-2 連立一次方程式とガウスの消去法
    2-3 逆行列
    2-4 逆行列がない!
    第3章 行列式とその応用
    3-1 行列式って何?
    3-2 行列式の仕組み
    第4章 行列の特性を引き出す
    4-1 固有値と固有ベクトル
    4-2 対角化とは

プロローグ

  • ベクトル
    「大きさあるいは強さ」と「方向」を持った値。

第1章 ベクトルとスカラー

1-1 ベクトルのすみか

  • 次元
    ベクトルの「すみか」の広がる方向の数。

  • ベクトルの成分表示

1-2 ベクトルのスカラー倍、和と差

  • スカラー量、スカラー
    成分を持たない量のこと。

    例) 二次元ベクトルをスカラー倍(例では倍)する。

  • ベクトルの和、ベクトルの平行移動

    平行四辺形の対角線となる。

  • ベクトルの交換法則、結合法則、分配法則
    交換法則
    結合法則
    分配法則

  • ベクトルの差
    倍して加えたものと考えることができる。平行四辺形の対角線となる。

1-3 基底ベクトル

  • 平面の正規直交基底
    ,を用いて任意の平面ベクトルは、以下のように表される。

  • 空間の正規直交基底
    ,,を用いて任意の平面ベクトルは、以下のように表される。

  • 独立
    あるベクトルが、もう一方のベクトルの単なるスカラー倍でかけないとき、これらは独立であるという。

  • 基底
    互いに独立で、任意のベクトルがそれらの線形結合で表されるベクトルの組のこと。

  • 正規直交基底
    上記などを指す。

1-4 内積

ここでは結論のみ記す。書籍では内積を幾何的に丁寧に求めている。

  • 内積の意味
    2つのベクトルからスカラーを作成する操作。「どの方向から見ても変わらない量を取り出す=回転に対して不変な」操作と考える。

  • スカラー
    回転に対して不変な量。

  • 平面ベクトルの内積
    平面ベクトル,の内積を次のように定義する。

  • 空間ベクトルの内積
    平面ベクトル,の内積を次のように定義する。

  • ベクトルの長さ、挟む角と内積
    平面、空間いずれの場合もベクトルの長さと内積には以下の関係がある。

    また2本のベクトルが挟む角に対し、以下の関係がある。

1-5 外積

書籍では外積を幾何的に求めている。
なお、内積、外積についての詳細な解説は、もういちどだけ内積・外積 [物理のかぎしっぽ]の記事がとてもわかり易い。

  • 外積の意味
    2つのベクトルからそのなす平面に垂直で、2角ベクトルのなす平行四辺形の面積の大きさを長さに持つベクトルを作成する操作。ベクトル積、直積ともいう。
    外積のベクトルの向きは第1項から第2項への向きを右ねじを回す方向と捉え、ねじの進む方向とする。このことから、外積の演算では交換法則は成り立たない。

  • 空間反転
    ベクトルの成分全てにを掛けてベクトルの方向を反転させること。
    空間反転させたベクトルの外積の方向は変わらない。これを軸性ベクトル、または擬ベクトルという。

  • 空間ベクトルの外積
    空間ベクトルの外積

    擬(軸性)ベクトルである。

  • 外積の計算

  • の作る平行四辺形の面積
    のなす角をとし

参考サイト

2017年3月8日水曜日

線形代数の学習を始めるにあたって

前回で一旦高校数学の復習を終えました。いくつかの単元は飛ばしましたが、ほぼ必要となる知識の総整理はできたと思います。一週間くらいでできるかな? とかおもっていましたが、途中で複素数や二項定理、図形に苦戦して、結局3週間ほどかかりましたね。でも今までの人生の中で一番深く理解できた気がするのでおけとします。

またインターネットで色々と調べ物をした結果、良質な参考サイトや、便利な数学ツールのGeoGebraなどに出会えて、とても実りの多い3週間でした。

さて、これからは代数、解析、統計をやっていきたいと思います。このあたりは理工系では理論より応用が大事だと言われている分野ですが、できる限り理論も追いかけていきたいと思います。といっても私レベルだと、まとめたメモくらいが精一杯です。数学が好きな人のサイトを読むとわかりやすいし、面白い蘊蓄満載だし、本当にためになります。

教科書探し

まずは教科書探しをしてみます。

よい教科書はよいようですね。このレベルになってくるとやたら難しいことだけ書いている本があるんですが、大学初年度などでは面食らって取り組みにくいものですね。かくいう私もなるべくわかりやすい本を探した記憶があります。とおいきおく…

まずは教科書

で、線形代数なんてすっかり忘れていて、高校レベルからできそうな、線形代数がわかる:書籍案内|技術評論社 (amazon)を教科書として使うことにしました。
基礎的な概念や計算力が大事だと思うので、自分が理解できそうなものを選んでみました。インターネットでも結構評判は良さそうです。ただし、当然ながら大学初年度以降の内容は余り含まれていないので、それはまた別に探す必要があります。

教科書の目次

線形代数がわかる:書籍案内|技術評論社では、対話形式で線形代数の学習をするときに、ポイントとなることや引っかかりそうなことを話題にして、話をすすめるスタイルです。
登場人物は学生と先生なんですが、この学生がなんともいい味を出しています。前回の章で学習したことを忘れていたり、わかったような、わからないような生返事がおおかったりと、なかなかしびれます。まるで自分を見ているよう… 先生の忍耐力、すばらしい大人力です!

序章 プロローグ

第1章 ベクトルとスカラー
1.1 ベクトルのすみか
1.2 ベクトルのスカラー倍,和と差
1.3 基底ベクトル
1.4 内積
1.5 外積(ベクトル積)

第2章 行列と連立1次方程式
2.1 行列とその演算
2.2 連立1次方程式とガウスの消去法
2.3 逆行列
2.4 逆行列がない!

第3章 行列式とその応用
3.1 行列式って何?
2.2 行列式のしくみ

第4章 行列の特性を引き出す
4.1 固有値と固有ベクトル
4.2 対角化とは

231ページありますが、内容は以上のように線形写像や二次形式がありません。この教科書で底上げできたら他の本で勉強してみたいと思います。

参考リンク

高校数学 - 図形

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。またLatexで数式を書くための練習です。第21回は図形です。まずは高校数学で登場する定理を集めてみました。なお、次回はこの範囲の定義や証明を延々と… 大変だぉ。

今回はGeoGebraが大活躍です。たくさん図形を書いてずいぶんGeoGebraの練習になりました。これからもどんどん使っていきたいと思います。でもまだ立体図形はうまくかけないんですよね。もっと練習しなきゃ。

以下については記載されていなかったので、チャート式 数学 I+Aを参考に追記しました。

  • 三平方の定理
  • 三角形の五心、傍心
  • トレミーの定理

教材

  • 新編 数学A 平成25年度用

編者: 高橋陽一郎
出版社: 啓林館
発行日: 2012-12-10
ISBN: ISBN978-4-402-03692-7
価格: C4341 ¥00000E

学習範囲 (目次より)
第3章 図形の性質

  • 新課程 チャート式 数学I+A

編者: チャート研究所
出版社: 数研出版
発行日: 2013-02-01
ISBN: ISBN978-4-410-10172-4
価格: C4341 ¥1820E

学習範囲 (目次より)
数学A 第3章 図形の性質

図形の性質

定理のまとめ

[定理] 中点連結定理
で辺の中点をそれぞれとすれば

中点連結定理

[定理] 三平方の定理 (補)
で辺とすると

三平方の定理

[定理] 中線定理 (補)
の辺の中点をとすると

中線定理

[定理 1] 角の二等分線と辺の比
の二等分線と辺との交点をとすると

角と二等分線と辺の比

[定理 2] 外角の二等分線と辺の比
の外角の二等分線と辺との交点をとすると

となる。ただしとする。
外角と二等分線と辺の比

[定理] 定理2の逆 (補)
の辺上の点に対してが成り立つならばの二等分線である。

[定理 3] 三角形の辺と角の大小 (補)

大きい辺に対する角は、小さい辺に対する角より大きい。
大きい角に対する辺は、小さい角に対する辺より大きい。
三角形の辺と角の大小

[定理 4] 三角形の辺の長さの関係 (補)

二辺の長さの和は、残りの一辺の長さより大きい。
二辺の長さの差は、残りの一辺の長さより小さい。

[定理 5] (重心) 三角形の中線の交点
三角形の三本の中線は一点で交わり、その交点をとすると、点は三本の中線をそれぞれに内分する。
重心

[定理 6] (内心) 三角形の角の二等分線の交点
三角形の三つの角の二等分線は一点で交わる。
内心

[定理 7] (外心) 三角形の三辺の垂直二等分線の交点
三角形の三辺の垂直二等分線は一点で交わる。
外心

[定理] メネラウスの定理
直線の三辺またはその延長と、それぞれ点で交わるとき、次の式が成り立つ。

三角形の辺と交わる場合
メネラウスの定理-延長線と交わる

三角形の辺の延長線と交わる
メネラウスの定理-延長線と交わる

[定理] チェバの定理
の頂点を結ぶ各直線が、大変またはその延長と交わる点をそれぞれ点とすると、次の式が成り立つ。

の内部
チェバの定理-内部

の外部
チェバの定理-外部

[定理] (垂心) 三角形の頂点の垂線の交点
三角形の頂点の対辺に対する垂線は一点で交わる。
垂心

[定理] (傍心) 三角形の内角の二等分線と外角の二等分線の交点 (補)
三角形の一つの頂点における内角の二等分線と、他の二つの頂点における外角の二等分線は一点で交わる。
傍心

[定理 8] 円周角の定理
同じ弧に対する円周角の大きさは等しい。このとき、円周角の大きさはその弧に対する中心角の大きさの半分である。
円周角

[定理 9] 円周角の定理の逆
が直線について同じ側にあるとき、

[定理] 円の内部と外部と円周角
円の周上にがあるとき、点が直線に関して点と同じ側にあるとき
が円の周上にある
が円の内部にある
が円の内部にある
円の内部と外部と円周角

[定理] 円に内接する四角形の性質
円に内接する四角形において
向かい合う内角の和はである。
一つの内角は、それに向かい合う内角のとなりにある外角に等しい。
円に内接する四角形

[定理] 四角形が円に内接する条件
次のいずれかが成り立つ四角形は円に内接する。
向かい合う内角の和がの四角形は円に内接する。
一つの内角が、それに向かい合う内角のとなりにある外角に等しい四角形は円に内接する。
四角形が円に内接する条件

[定理] トレミーの定理
が円に内接するとき、対角線上にとなるような点を取るとき、以下が成り立つ。

enter image description here

[定理 10] 2本の接線の長さ
円外の点から円にひいた本の接線の長さは等しい。
2本の接線の長さ

[定理 11] (接弦定理) 接線と弦のなす角
円の弦と点における接線とのなす角は、その角の内部にある弧に対する円周角に等しい。
接弦定理

[定理 12] 方冪の定理
を通る直線が円とそれぞれで交わるとき、次の式が成り立つ。

が円の内部
方冪の定理1
が円の外部
方冪の定理2

円外の点を通る直線の一方が円とで交わり、もう一方が点で接しているとき、次の式が成り立つ。

方冪の定理3

[定理 13] オイラーの多面体定理
または以下のように表す。

[定理] 三垂線の定理
平面とその上にない点があり、また上に直線上にない点がある。上の点をとするとき

三垂線の定理

2017年3月6日月曜日

高校数学 - 図形 定理集

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。またLatexで数式を書くための練習です。第21回は図形です。まずは高校数学で登場する定理を集めてみました。なお、次回はこの範囲の定義や証明を延々と… 大変だぉ。

今回はGeoGebraが大活躍です。たくさん図形を書いてずいぶんGeoGebraの練習になりました。これからもどんどん使っていきたいと思います。でもまだ立体図形はうまくかけないんですよね。もっと練習しなきゃ。

以下については記載されていなかったので、チャート式 数学 I+Aを参考に追記しました。

  • 三平方の定理
  • 三角形の五心、傍心
  • トレミーの定理

教材

  • 新編 数学A 平成25年度用

編者: 高橋陽一郎
出版社: 啓林館
発行日: 2012-12-10
ISBN: ISBN978-4-402-03692-7
価格: C4341 ¥00000E

学習範囲 (目次より)
第3章 図形の性質

  • 新課程 チャート式 数学I+A

編者: チャート研究所
出版社: 数研出版
発行日: 2013-02-01
ISBN: ISBN978-4-410-10172-4
価格: C4341 ¥1820E

学習範囲 (目次より)
数学A 第3章 図形の性質

図形の性質

定理のまとめ

[定理] 中点連結定理
で辺の中点をそれぞれとすれば

中点連結定理

[定理] 三平方の定理 (補)
で辺とすると

三平方の定理

[定理] 中線定理 (補)
の辺の中点をとすると

中線定理

[定理 1] 角の二等分線と辺の比
の二等分線と辺との交点をとすると

角と二等分線と辺の比

[定理 2] 外角の二等分線と辺の比
の外角の二等分線と辺との交点をとすると

となる。ただしとする。
外角と二等分線と辺の比

[定理] 定理2の逆 (補)
の辺上の点に対してが成り立つならばの二等分線である。

[定理 3] 三角形の辺と角の大小 (補)

大きい辺に対する角は、小さい辺に対する角より大きい。
大きい角に対する辺は、小さい角に対する辺より大きい。
三角形の辺と角の大小

[定理 4] 三角形の辺の長さの関係 (補)

二辺の長さの和は、残りの一辺の長さより大きい。
二辺の長さの差は、残りの一辺の長さより小さい。

[定理 5] (重心) 三角形の中線の交点
三角形の三本の中線は一点で交わり、その交点をとすると、点は三本の中線をそれぞれに内分する。
重心

[定理 6] (内心) 三角形の角の二等分線の交点
三角形の三つの角の二等分線は一点で交わる。
内心

[定理 7] (外心) 三角形の三辺の垂直二等分線の交点
三角形の三辺の垂直二等分線は一点で交わる。
外心

[定理] メネラウスの定理
直線の三辺またはその延長と、それぞれ点で交わるとき、次の式が成り立つ。

三角形の辺と交わる場合
メネラウスの定理-延長線と交わる

三角形の辺の延長線と交わる
メネラウスの定理-延長線と交わる

[定理] チェバの定理
の頂点を結ぶ各直線が、大変またはその延長と交わる点をそれぞれ点とすると、次の式が成り立つ。

の内部
チェバの定理-内部

の外部
チェバの定理-外部

[定理] (垂心) 三角形の頂点の垂線の交点
三角形の頂点の対辺に対する垂線は一点で交わる。
垂心

[定理] (傍心) 三角形の内角の二等分線と外角の二等分線の交点 (補)
三角形の一つの頂点における内角の二等分線と、他の二つの頂点における外角の二等分線は一点で交わる。
傍心

[定理 8] 円周角の定理
同じ弧に対する円周角の大きさは等しい。このとき、円周角の大きさはその弧に対する中心角の大きさの半分である。
円周角

[定理 9] 円周角の定理の逆
が直線について同じ側にあるとき、

[定理] 円の内部と外部と円周角
円の周上にがあるとき、点が直線に関して点と同じ側にあるとき
が円の周上にある
が円の内部にある
が円の内部にある
円の内部と外部と円周角

[定理] 円に内接する四角形の性質
円に内接する四角形において
向かい合う内角の和はである。
一つの内角は、それに向かい合う内角のとなりにある外角に等しい。
円に内接する四角形

[定理] 四角形が円に内接する条件
次のいずれかが成り立つ四角形は円に内接する。
向かい合う内角の和がの四角形は円に内接する。
一つの内角が、それに向かい合う内角のとなりにある外角に等しい四角形は円に内接する。
四角形が円に内接する条件

[定理] トレミーの定理
が円に内接するとき、対角線上にとなるような点を取るとき、以下が成り立つ。

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[定理 10] 2本の接線の長さ
円外の点から円にひいた本の接線の長さは等しい。
2本の接線の長さ

[定理 11] (接弦定理) 接線と弦のなす角
円の弦と点における接線とのなす角は、その角の内部にある弧に対する円周角に等しい。
接弦定理

[定理 12] 方冪の定理
を通る直線が円とそれぞれで交わるとき、次の式が成り立つ。

が円の内部
方冪の定理1
が円の外部
方冪の定理2

円外の点を通る直線の一方が円とで交わり、もう一方が点で接しているとき、次の式が成り立つ。

方冪の定理3

[定理 13] オイラーの多面体定理
または以下のように表す。

[定理] 三垂線の定理
平面とその上にない点があり、また上に直線上にない点がある。上の点をとするとき

三垂線の定理