2017年3月10日金曜日

線形代数入門 書籍 線形代数がわかる(2) 行列と連立1次方程式

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。ポイントだけを残していきます。

今回は線形代数入門 第2回、テキストの第2章 行列と連立一次方程式です。ついに憧れ(?!)の行列登場です。そして行列を使ったガウスの掃き出し法による連立一次方程式の解法です。

テキストでは、逆行列が存在しない行列を具体例で解説しているので、抽象的な内容がとてもわかりやすくなっています。またコラムも本文にとても関連があることで、発展的な内容を含んでいてとてもためになります。核とかしっかり調べてみたら代数学にあるんですね。すっかり忘れていましたよ、ほんと。

久しぶりに行列で連立方程式をときました。むかし初めて行列で連立一次方程式を説いたときの感動がよみがえってきて、とても新鮮な気持ちに慣れました。さぁ、あなたもどうですか? (謎 ではでは復習をはじめます。

教材

  • First Book 線形代数がわかる
    表紙
    著者: 中村厚、戸田晃一
    出版社: 技術評論社
    発行日: 2010-9-25
    ISBN: ISBN978-4-7741-4346-0
    価格: C3041 ¥1780E
    書籍サイト: 線形代数がわかる:書籍案内|技術評論社 (amazon)

    学習範囲 (太文字の章節がこの記事の対象)
    序章 プロローグ
    ベクトルとは
    線形代数の意味
    行列と行列式
    物理と線形代数
    第1章 ベクトルとスカラー
    1-1 ベクトルのすみか
    1-2 ベクトルのスカラー倍、和と差
    1-3 基底ベクトル
    1-4 内積
    1-5 外積
    第2章 行列と連立一次方程式
    2-1 行列とその演算
    2-2 連立一次方程式とガウスの消去法
    2-3 逆行列
    2-4 逆行列がない!
    第3章 行列式とその応用
    3-1 行列式って何?
    3-2 行列式の仕組み
    第4章 行列の特性を引き出す
    4-1 固有値と固有ベクトル
    4-2 対角化とは

第2章 行列と連立一次方程式

2-1 行列とその演算

  • 行列の形
    縦に個、横に個の数が並んだ行列をの行列という。

  • 正方行列
    行数と列数が同じ行列。のとき。

  • 行列の成分
    行列中のそれぞれの数のこと。一般に第行、第列といい、で表す。
    例)

  • 行列の和、差、スカラー倍
    行列の形が同じならば、それぞれの同じ場所にある成分の加法・減法によって和、差が作れる。

  • 行列の乗法
    の列数との行数が等しいとき、積を作ることができる。積がともに作れる場合でも一般にである。この性質を行列の非可換性という。
    例)

  • 行列の乗法の書き下し
    行列成分を、成分を成分をとすると

    ここでのそれぞれ列数、行数。

  • 行列の結合法則

2-2 連立一次方程式とガウスの消去法

  • ガウスの消去法 (掃き出し法)
    連立次方程式は ガウスの消去法によって解くことができる。ガウスの消去法で使われる行列の行基本変形は下記3つ。
    1. ある行を何倍かする
    2. ある行を何倍化して別の行に加える(別の行から引く)
    3. ある行と別の行を入れかえる

例)
下記連立1次方程式をガウスの消去法により解く。

1. 上記を行列で表現する。

2. これを下記のようにあらわす。

3. 行目の列目をにするため、行目にを掛けて行目から引く。

4. 行目の列目をにするため、行目にを掛ける。

4. 行目の列目をにするため、行目にを掛けて行目から引く。

  • 単位行列
    行列の成分からみた対角成分が、それ以外がの行列。

  • 三角行列
    行列の対角線より下をとした行列を上三角行列という。

  • 前進消去、後進消去
    ガウスの消去法において上三角行列を作成すること。後進消去はそこから単位行列を作成すること。

  • 後進代入
    前進消去が完成した段階で、一行上の方程式に最終行の解を代入し、次々と解を求めていく方法を後進代入という。

2-3 逆行列

  • 逆数、単位元
    ある数に掛けてとなる数を乗法の逆数という。またを乗法の単位元という。例えば実数に対して逆数を掛けて単位元を得る、などという。
    行列における単位元は単位行列。

  • 逆行列
    あるに掛けたとき、結果がの単位行列となる行列を逆行列といい、で表す。定義より以下が成り立つ。

    また下記性質を持つ。


    証明)

    また


  • の逆行列の求め方

    1. と同じサイズの単位行列を右側に並べ、行列を作る。
    2. この行列に対して行基本変形を行い、の部分を単位行列に変形する。このとき部分にも同じ行基本変形を適用する。
    3. 完了したとき右側の部分が逆行列である。
  • 基本行列
    掃き出し法で、基本変形に対応した行列を基本行列といい、と表す。ここでは変形の順番を表す数。
    基本行列を用いてガウスの消去法を表現すると下記のようになる。

    基本行列の積の逆行列。

  • 線形写像
    行列と行列の積を考えるとき、

    において、に変換する操作ととらえ、これを線形変換、または1次変換という。またあるベクトルを別のベクトルに写しているとも考えることができ、線形変換を線形写像ともいう。
    厳密な定義は別途他のテキストにあたること。

2-4 逆行列がない!

  • 正則行列
    逆行列を持つ正方行列のことを正則行列という。

  • 非正則行列
    逆行列を持たない正方行列のことを非正則行列という。基本変形をしてある行がすべてになればその正方行列は非正則行列である。

  • 連立一次方程式の解
    連立1次方程式において、正方行列が非正則なら解はひとつに決まらないか、または解はない。


  • 連立一次方程式は、によってに写されるを求める問題である。このような性質を持つを線形写像の核という。
    が正則行列(逆行列を持つ)とすると

    であり、の解はだけである。これを自明な核という。
    非正則行列では、2次元の場合は解は直線などとなり、これを自明でないという。

    参考としてときわ台学/線形代数学入門(連立一次方程式,行列,テンソル入門)の講義ノートの目次の「2.2.3 連立方程式の解法の幾何学的な意味」を参照。参考サイトの線形代数学入門を通読したほうが理解が早い。

参考サイト

  • ときわ台学/線形代数学入門(連立一次方程式,行列,テンソル入門)の講義ノートの目次
    こちらのサイトの記事もとてもわかりやすいです。今やっているテキストが終わったら、知識の整理と深掘りをするのにちょうどいい内容です。線形代数はPDFが無料で公開されています。他にも有料でPDFを公開されていらっしゃいますね。本文はインターネットのブラウザでも読めますが、読みやすさはPDFに軍配が上がります。機会があったら購入してみようと思います。本当にずいぶん助かりました。
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