久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。ポイントだけを残していきます。
今回は線形代数入門 第3回です。今回はテキストの第3章 行列式とその応用です。第2章まででテキストは半分以上が終わりました。ここからもじっくりいきたいと思います。
行列に関して学習を進めていくと、いわゆる実数の演算とは少し趣が異なることがわかってきます。演算の特徴ってどうなっているのかな、人間が直感的に把握できる3次元を超えた次元ではどうなっているのかな、などなど。さて、もう少し行列の特徴について復習を進めます。
「逆行列の公式」では、他の書籍とはだいぶ違った説明がされていますが、私には理解ができませんでした。アマゾンのレビューでも第3章でついていけなくなる人がいたようです。同じところで引っかかったのかなぁ。
なお、線形代数の次の教科書として線型代数[改訂版]|日本評論社を考えています。408ページもあるので大変ですが、頑張ってみたいと思います。
教材
- First Book 線形代数がわかる
著者: 中村厚、戸田晃一
出版社: 技術評論社
発行日: 2010-9-25
ISBN: ISBN978-4-7741-4346-0
価格: C3041 ¥1780E
書籍サイト: 線形代数がわかる:書籍案内|技術評論社 (amazon)
学習範囲 (太文字の章節がこの記事の対象)
序章 プロローグ
ベクトルとは
線形代数の意味
行列と行列式
物理と線形代数
第1章 ベクトルとスカラー
1-1 ベクトルのすみか
1-2 ベクトルのスカラー倍、和と差
1-3 基底ベクトル
1-4 内積
1-5 外積
第2章 行列と連立一次方程式
2-1 行列とその演算
2-2 連立一次方程式とガウスの消去法
2-3 逆行列
2-4 逆行列がない!
第3章 行列式とその応用
3-1 行列式って何?
3-2 行列式の仕組み
第4章 行列の特性を引き出す
4-1 固有値と固有ベクトル
4-2 対角化とは
行列式とその応用
3-1 行列式って何?
- 外積の性質
2次正方行列の行列式
行列式の考え方
行列において各行をベクトルと考えたとき、それらが独立かどうかを外積で判断することができる。2次正方行列の行列式
転置行列
もとの行列の行と列を入れ替えた行列を転置行列といい、以下で表す。
としたとき
転置行列の行列式はもとの行列と同じ。
3次正方行列の行列式
- 3次正方行列の行列式
外積と内積での行列式の考え方
3次正方行列を3つのベクトルと考え、それらが互いに独立であるかどうかを調べる。
まずとが独立であるかを外積で調べ、さらにその外積とが直行しているかどうかをそれらの内積で調べる。これを三重積という。
求めた結果は行列式であり、であれば従属、でなければ独立。
行列の行の入れ替え
外積の性質より
である。これは行列において第行目と第行目を入れ替えたものといえる。すなわち行列において行を交換すると、行列式の符号が変わる。
- 巡回置換
として
- 行列式の行について成り立つ関係は列に関しても成り立つ。
- 行列式の特徴
- 行列式では行列の各行から作ったベクトルが独立かどうかを判定することができる。
- 行列式の行を入れ替えると符号が変わる。
- 転置行列の行列式は、もとの行列の行列式と等しい。
3-2 行列式の仕組み
小行列式と余因子
としたとき
である。括弧内に注目するとこれは以下の行列式となっている。
次正方行列の第行と第列を除いた部分から作成した行列式をの第小行列式という。また第小行列式に符号をつけたものを第余因子といいで表す。行列式を余因子を用いて表すことを行列式を展開するという。
行列式の展開
行列式はどの行でも展開できる。行列の成分の余因子をで表し、展開式は以下のようにかける。
- クロネッカーのデルタ
クロネッカーのデルタを下記で定義する。添字が一致したときにだけ、それ以外はすべてという意味。
定義よりである。
クロネッカーのデルタを使って行列式を表現すると次のようになる。
逆行列の公式
以上で下準備ができたようですが、この先の説明がわかりませんでした。p.151-154で逆行列の公式を求めるを説明しようとしているが、何を気づかせようとしているのかが見当がつきません。以下、該当部分の話の流れです。
- 3次正方行列の第3行についての展開式を復習。
- 1.の第1行目と第3行目が等しい成分の行列式(0になる)を作成。
- 2.を第3行について余因子展開。
- 1.を第3行について余因子展開。
- 1.と2.の展開式を比較し、余因子と成分の添字が揃っていることを認識させる。
- 2.の行列を第k行について余因子展開。
- 1.の行列を第k行について余因子展開。
- 「これら2つの式」が似ていることを認識させる。どの2つの式のこと?
- クロネッカーのデルタが登場。
- クロネッカーのデルタで1つのまとめてかける事を主張。
- クロネッカーのデルタで「これら2つの式」をまとめて書く。
- クロネッカーのデルタで逆行列を表現。
2.で考えようとしている行列の意味や、8で似ているといっているものや、何と何を合わせてまとめるのか、なぜまとめることができるのか、つかむことができません。学生のAくん、よくついていけるなぁ、とおもったけど、ついていってなさげなのがまたこのテキストのいいところ。
12.ではクロネッカーのデルタを単位行列ととらえ、逆行列の公式を導出したことになっているが、途中経路が負えないため、理解不能でした。きっと何かに気づかせようとしてくれているんだろうけど、気づくことができませんでした。残念です。
なお、一般的な教科書では置換、互換を使った行列式の定義がされています。そのほうがわかりやすい気がします。
連立方程式の解法であるクラメルの公式については参考サイト「クラメルの公式の丁寧な証明 - 理工系数学のアラカルト -」を参照のこと。
行列の積と行列式
行列の積と行列式
行列において、その積の行列式は、それぞれの行列の行列式の積と等しい。
置換
までの並びかえを以下のように書く。これを文字の置換という。
例) 通り
文字の入れ替えを偶数回したものを偶置換、奇数回したものを奇置換という。
ある置換が偶置換か奇置換かにより値が決まる関数を関数という。
の行列式
置換とを用いて下記で表す。
- 行列式は、各行あるいは各列について展開できる。
- 逆行列を明示的に求める公式がある。(クラメルの公式。ただし計算量が多く、ガウスの消去法で求めるほうが効率的)
- 正方行列の積の行列式はそれぞれの行列式の積。
参考サイト
- クラメルの公式の丁寧な証明 - 理工系数学のアラカルト -
クラメルの公式がすごく理解しやすい記事です。
■ 原点をOとするxy平面上で、第1象限にある点(a,b)を通る
返信削除傾きが負の直線とx軸,y軸との交点をA,Bとする。
△OABの周の長さの最小値はいくらか。
これを ラグランジュの未定乗数法(method of Lagrange multiplier)で解いて下さい;
(途中経過をも記して下さい)
また 他の多様な発想を明記し 解いて下さい;
(再投稿です)