久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。またLatexで数式を書くための練習です。第18回は積分法です。
ついにやってきました、高校数学の集大成。目次的にはちょっとしかないですが、結構な量の知識が詰まってたような気がします。復習してたら部分分数に分解、置換積分、部分積分とかがあって、どんなときにどの方法が適用できるか、パズルみたいだったのを思い出しました。訓練しないと見分けるの大変なんですよね、これって。
面積や体積の求め方、本当に楽しいです。高校の範囲でもだいぶ実用的な感じがでてきます。また物理との関係も少し触れられていて、微積っていうのは実世界をどんなふうに捉えれば合理的なんだろうか、と先人が考えてきた結果が詰まっているように感じます。
あ、そうだ。曲線の方程式とかちゃんとやっとこ。このあと解析とか代数でバンバン出てくるんですよね… orz
教材
- 新編 数学III 平成27年度用
編者: 高橋陽一郎
出版社: [啓林館]
発行日: 2014-12-10
ISBN: ISBN978-4-402-05578-3
価格: C4341 ¥00000E
第6章 積分法
第1節 不定積分
1. 不定積分
2. 置換積分法と部分積分法
第2節 定積分
1. 定積分
2. 定積分と微分
3. 区分求積法と定積分
第3節 面積
1. 面積
第4節 体積
1. 体積
2. 回転体の体積
第5節 曲線の長さ
1. 曲線の長さ
積分法
不定積分
不定積分
- 原始関数
微分するとになる関数をの原始関数という。
- 不定積分、積分定数
関数の不定積分を求めることをを積分するといい、下記で表す。
ここでは積分定数という。ある関数の原始関数は無数にあるがをの原始関数のひとつとすれば、どの原始関数も定数を選んでの形に書ける。
不定積分を求めることは微分の逆の計算である。よって微分の公式をもとに不定積分を求めることができる。
- の不定積分
のとき
のとき
不定積分の性質
部分分数に分ける
以下のような変形。
と変形する。
のそれぞれの分子に着目し
これをについての恒等式とみて両辺の係数を比較すると
これをといて
よって
- 指数関数の不定積分
- 三角関数の不定積分
三角関数の不定積分では三角関数の積和の公式や倍角の公式を使うと積分できることが多い。
置換積分法と部分積分法
置換積分法
- 置換積分法
とおけば
または
また、与えられた不定積分が
の形で表されるときはとおくと置換積分法の公式によって
となる。
はの関数であるが、になる。このときすれば、合成関数の微分法から
不定積分
を求める。であるから、と考えて
部分積分法
- 部分積分法
積の微分法の公式から
となる。この両辺を積分して
定積分
定積分
- 定積分
の原始関数のひとつをとすると
定積分の性質
定積分の置換積分法
のとき
偶関数と奇関数
定義域のすべてのに対して
を満たす関数を偶関数という。偶関数のグラフは軸に対して対称である。
定義域のすべてのに対して
を満たす関数を奇関数という。奇関数のグラフは原点に対して対称である。
- 偶関数と奇関数の等式
偶関数のときを置換積分により証明する。
右辺の第項の定積分でとおくと
偶関数のときより
定積分の部分積分法
定積分と微分
の原始関数で、が定数のとき
である。この式の両辺をの関数とみて微分するとである。よって以下がいえる。
区分求積法と定積分
面積を求めるのに、長方形の面積の和の極限として求める方法を区分求積法という。積分の考えの生まれたもと。一般に、下記等式が成り立つ。
区分求積法の考えで、定積分を和の極限として表すことができる。
関数の小区間に等分し、その分点を
とする。この小区間の幅をとすると
である。
区間
と考えると、関数と軸で挟む部分の長方形の面積の和を表している。
ここでを限りなく大きくすると、囲まれた部分の面積に近づくから
でないときや、のときも成り立つ。
定積分と不等式
区分求積法の考えから、のとき、次の性質が導かれる。
- とその導関数
は次のように求めることができる。
と表されるから、で微分すると合成関数の微分法により
面積
面積
で のとき 曲線と軸及び直線 とで囲まれた部分の面積
のときつの曲線と及び直線 とで囲まれた部分の面積
のとき曲線と軸および直線とで囲まれた部分の面積
体積
体積
- 立体の体積
のとき
つの立体を考え、適当な直線を取ってそれが軸となるように座標を定める。座標の点で軸に垂直に立てた平面で立体をきったときの切り口の面積をとする。
のとき、座標の点で、軸に垂直に立てた平面の間にある部分の体積をで表す。
のとき、座標の点で、軸に垂直に立てた平面の間にある部分の体積はの関数だからで表すことができる。がわかれば求める体積は
として得られる。
とし、これに対するの増分をとすると、は座標の2点で軸に垂直に立てた平面の間にある部分の体積となる。
はが小さければ底面積、厚さの薄板の体積にほとんど等しい。そこでを限りなくに近づけるとはに近づくから
となる。
すなわちの原始関数である。
ここで
だから
球の体積
半径の球の体積を求める。
球の中心を原点として軸を取る。のとき、軸上の座標の点を通って軸に垂直な平面による球の切り口は半径の円である。この切り口の面積は
よって求める球の体積は
角錐の体積
底面積、高さの角錐の体積を求める。
角錐の頂点を原点とし、底面に垂直な直線を軸とする。のとき、軸上の座標の点を通って軸に垂直な平面による角錐の切り口の面積をとする。
この切り口と底面は相似で、相似比はであるから
したがって
よって
回転体の体積
- 回転体の体積
のとき
平面上にある図形を軸のまわりに回転してできる立体の体積について考える。
のとき、曲線と軸および直線とで囲まれた図形を、軸のまわりに回転してできる立体の体積をとする。
軸上の座標の点で、軸に垂直な平面で立体を切ったときの切り口は、半径の円になる。その切り口の面積は
となる。体積は次のようになる
- 円錐の体積
底面の半径が、高さがの直円錐は、直線
と軸とで囲まれた図形を、軸の周りに回転してできる立体である。
求める体積をとすると
- 軸回りに回転した立体の体積
のとき、曲線と軸および直線とで囲まれた図形を、軸回りに回転してできる立体の体積は
曲線の長さ
曲線の長さ
- 曲線の長さ
曲線上の点が媒介変数tを使ってと表されているとき曲線の長さは
- 曲線の長さ
曲線を媒介変数でと表されているとき曲線の長さは
- 曲線の長さ
曲線上の点が媒介変数を使って
と表されているとき、曲線の長さを求める。
の増分に対するの増分をそれぞれで表す。が極めて小さければ
と考えて良いから
ここでとするとだから
- 曲線の長さ
曲線を媒介変数で
と表されているとき曲線の長さを求める。
曲線の長さ より
- 円周
を正の定数としたとき、円
の周の長さを求める。
よって
- サイクロイド
を正の整数としたとき、サイクロイド
の長さを求める。
よって
三角関数の半角の公式より
なので
- 懸垂線
曲線
のの部分の長さを求める。
より
である。この曲線は軸に関して対称であるから
道のり
平面上を動く点の時刻における座標をとすると、この点の速度とその大きさは
となる。この点が時刻からまでに動いた道のりはの関数である。
を媒介変数と見れば、点の動いた道のりは曲線の長さだからとなる。
したがって時刻までに動いた道のりは
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