2017年2月28日火曜日

高校数学 - 極限

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。またLatexで数式を書くための練習です。第12回は極限です。

教科書では段階的に極限の考え方を学習するのに、離散的な数列の極限と連続的な関数の極限を分けています。復習は一気にしたいと思います。

しかし、よくよく数学とは一点に「収束」する、だとか巡り巡って「周期的な」振る舞いをする、とかが好きですよね。結局人間はそういったことから逃れられないのかもしれない…。ちょっと最近いろいろあって思うところがあったりします(謎)。

教材

  • 新編 数学III 平成27年度用

編者: 高橋陽一郎
出版社: [啓林館]
発行日: 2014-12-10
ISBN: ISBN978-4-402-05578-3
価格: C4341 ¥00000E

学習範囲 (目次より)
第3章 数列の極限
第1節 無限数列
1. 無限数列と極限
2. 無限等比数列
第2節 無限級数
1. 無限級数
2. 無限等比級数

第4章 関数の極限
第1節 分数関数と無理関数
1. 分数関数
2. 無理関数
3. 合成関数
4. 逆関数
第2節 関数の極限と連続性
1. 関数の極限
2. 指数関数・対数関数の極限
3. 三角関数の極限
4. 関数の連続性

数列の極限

無限数列

無限数列と極限
  • 無限数列

後が限りなく続く数列 を無限級数といい、

と表す。は数列の一般項である。

  • 数列の極限

無限数列の値を限りなく大きくしていくとき、一般項の値がどうなるかということを数列の極限という。を限りなく大きくすることをと表す。は無限大と読む。

  • 収束する、極限値

一般に無限数列においてとすると、の値が一定の値に限りなく近づくとき、数列に収束する、またはであるという。このことを記号で以下のように表す。

  • 発散する

数列には一定の値に収束しないものもあり、発散するという。
数列が正の無限大に限りなく大きくなる場合、数列は正の無限大に発散するといい、

数列が負の無限大に限りなく大きくなる場合、数列は負の無限大に発散するといい、

  • 振動する

発散する数列、すなわち収束しない数列のうち、一定の値に収束せず、正の無限大にも、負の無限大にも発散しない数列は、振動するという。

  • 無限数列の極限の分類

極限の性質
  • 収束する数列の極限値の性質

数列が収束し、のとき


数列について、のとき、は成り立つが、は収束する場合や、発散する場合がある。

  • 数列の極限と大小関係

数列の極限と大小関係について次の性質が成り立つ。





において、つねにであってもとは限らない。

無限等比数列
  • 無限等比数列

ある数に一定の数rを次々に掛けて得られる無限数列

を初項、公比の無限等比数列という。

  • の極限

一般に無限数列の極限はの値によって次のように分類される。

このことより以下がいえる。



とおくと、の整数のとき二項定理より

ここでとすると、である。よってのとき




とおくと、であるからより

よってのとき


のときはの値はが交互に繰り返される。
の符号が交互に変わる。よってのとき、は振動する。

無限級数

無限級数
  • 無限級数

一般に無限数列の各項を順に加えていった式

を無限級数といい、和の記号と表す。

  • 部分和



を無限級数の第項までの部分和という。

  • 収束する、和

無限級数で部分和の作る無限数列

が収束し、のとき、無限級数に収束するという。このとき極限値を無限級数の和といい、

または

と表す。

  • 発散する

部分和の数列が発散するとき、無限級数は発散するという。

無限等比級数
  • 無限等比級数

無限等比数列から作られる無限級数

を初項、公比の無限等比級数といい、と表す。

  • 無限等比級数の収束と発散

のとき、無限等比級数

は、


のとき、部分和はつねにで、の値に関係なくに収束するからのときについて考える。

無限等比級数の第項までの部分和をとすると
のとき

のとき
だから

よって無限等比級数は収束し、その和はである。

のとき
数列は発散するからも発散し、無限等比級数も発散する。

のとき

だからは発散し、無限等比級数も発散する。

循環小数

分数を小数で表すと有限小数となるか、または

のように同じ数字の並びが繰り返される循環小数になる、この時などのように表す。

循環小数は収束する無限等比級数として考えることで分数で表すことができる。

例)

右辺は公比0.01の無限等比数列であるから収束する。よって

関数の極限

分数関数と無理関数

分数関数
  • 分数関数

という。

分数式の定義域はを除く実数全体である。

  • 直角双曲線

関数のグラフは直角双曲線と呼ばれる曲線で、の符号により対象となる。原点に関して対称で、軸、軸が漸近線になっている。

  • 分数関数のグラフ

分数関数のグラフを軸方向に軸方向にだけ並行した直角双曲線で、漸近線はの2直線である。

の形に変形することでグラフを描くことができる。

無理関数
  • 無理式、無理関数

根号内に文字を含む式を無理式といい、の無理式で表される関数をの無理関数という。

無理関数の定義域は根号内が正またはになる実数全体である。

  • 無理関数のグラフ

無理関数のグラフは、軸が軸、頂点が点の放物線の上半分で、の符号により向きが異なる。

合成関数
  • 合成関数

一般につの関数について、の値域がの定義域に含まれるとき、を対応される関数と考えることができる。この関数の合成関数といい、と表す。すなわち

逆関数
  • 逆関数

一般に関数に対して、その逆の対応が関数になっているとき、この関数をの逆関数という。

と書くことがある。

逆関数を求めるにはについて解き、を入れ替える。

関数の極限と連続性

関数の極限
  • 極限値

関数においてが定義域の中で以外の値を取りながら、に限りなく近づくとき、の値が一定の値に限りなく近づくならば、に近づくときのの極限値はである、といい、

または

と表す。

  • 極限値の性質

のとき

関数で定義されていないときでも、が存在する場合がある。

  • 極限値の発散

関数において、のときの値が限りなく大きくなる場合、は正の無限大に発散するといい、

または

と表す。

また関数において、が負で、その絶対値が限りなく大きくなる場合、は負の無限大に発散するといい、

または

と表す。

片側からの極限

連続でない点における関数の極限を考えるとき、の近づき方を制限することがある。

のように表す。とくにのときはをそれぞれのように書く。

一般に関数について次が成り立つ。

x→∞、x→-∞の極限

の値が限りなく大きくなることをと表す。またの値が負でその絶対値が限りなく大きくなることをと表す。このような場合にも関数の極限、を考える事がある。

極限値をもつ条件

ある関数が定数を伴い与えられ、極限値を持つ定数を求める問題がある。このときは数学IIの微分積分にあった以下の式にて解決する。

指数関数・対数関数の極限

グラフと対比することで下記となる。

指数関数

のとき

指数関数の極限値1


のとき

指数関数の極限値2

対数関数

のとき

対数関数の極限1


のとき

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三角関数の極限

の値が限りなく大きくなるとき、関数の値はの間のすべての値を繰り返してとり、一定の値には近づかない。したがっては存在しない。

関数についてもは存在しない。また

となり、は存在しない。

  • 関数の極限と大小関係の性質

関数の極限と大小関係について次の性質が成り立つ。




をはさみうちの原理という。


  • の極限


であるから、のとき

となる。ここで

だから

(sin x)/x

のとき、として、半径、中心角の扇形をつくり、点における円の接線が直線と交わる点をとする。このとき面積について

よって

だから

これより

ここで

関数の連続性
  • 連続、不連続

一般に関数において

が成り立つとき、という。

が存在しないときや、存在してもであるとき、この関数はで連続ではない。このときという。

とは以下のことを指す。

に等しい

  • ガウス記号

を超えない最大の整数をと書き、をガウス記号という。負の値のときに注意。

  • 区間

の値の範囲を区間という。

  • 区間で連続

関数が、ある区間に属するすべての値で連続であるとき、関数はその区間で連続であるという。

  • 区間で連続な関数

ある区間で連続な関数について、次の関数も同じ区間で連続である。

  • 連続関数の性質

で連続で、が異符号ならば、との間にとなるが少なくともつ存在する。

  • 中間値の定理

で、のとき、の間の値に対して

となるが少なくともつ存在する。

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