2017年2月24日金曜日

高校数学 - いろいろな式 (二項定理・複素数等)

久しぶりに数学を復習しようと思い立ちました。この記事はそのメモです。またLatexで数式を書くための練習です。第9回はいろいろな式です。この単元では数学において重要な二項定理について、また理系数学、工学において要とも言える複素数の概念の導入があります。数IIIでは複素平面を学習しますが、まずは肩慣らしです。

二項定理、ずーっと苦手なんですよね。どうやったら苦手意識克服できるのかな? やっぱり二項定理 - ジャパリ図書館で「わーい!あなたは 二項定理 のフレンズなんだね!」っていってもらうしかないかな…

教材

  • 新編 数学II 平成26年度用

編者: 高橋陽一郎
出版社: [啓林館]
発行日: 2013-12-10
ISBN: ISBN978-4-402-04563-0
価格: C4341 ¥00000E

学習範囲 (目次より)
第1章 いろいろな式
第1節 整式の乗法・除法と分数式
1. 整式の乗法
2. 整式の除法
3. 分数式の計算
4. 二項定理
第2節 式と証明
1. 恒等式
2. 等式の証明
3. 不等式の証明
第3節 高次方程式
1. 複素数
2. 2次方程式
3. 2次方程式の解と係数の関係
4. 剰余の定理と因数定理
5. 高次方程式

いろいろな式

整式の乗法・除法と分数式

整式の乗法
乗法公式
  • 乗法公式 (数学Iの復習)

3次の乗法公式

3次の因数分解

整式の除法
  • 商と余り

一般にについての整式を、についての整式で割ったときの商を、余りをとすると次の関係が成り立つ。

特に、すなわちのとき、で割り切れるという。

分数式の計算
  • 分数式、分子、分母、有理式

整式と定数でない整式についての形の式を分数式といい、を分子、を分母という。また整式と分数式を合わせて有理式という。

分数式では数の分数と同じように分母、分子にでない式を書けても、分母、分子を共通な因数で割っても良い。よって分数式でも分数と同じように約分ができる。

  • 既約分数式

それ以上約分できない分数式を既約分数式という。

分数式の乗法・除法

分数式の乗法・除法は分数の場合と同じように計算できる。

分数式の加法・減法

分数式の加法・減法は分数の場合と同じように計算できる。

  • 通分

つ以上の分数式の分母を同じ整式にすることを通分するという。

分母が異なる分数式の加法・減法では各分数式の分母が同じになるように適切な整式を分母と分子にかけて計算する。

二項定理
パスカルの三角形

の展開式の係数を並べたものをパスカルの三角形という。

において展開式は以下のようになる。








これらの展開式に現れる係数を上記図のように並べると、各段の両端はすべてで、その他の数字は左上と右上のつの数の和となる。

二項定理
  • 二項定理

上式における の展開式の一般項という。

式と証明

恒等式
  • 恒等式

等式で両辺が式として等しいとき、すなわち両辺が同じ式に変形されるとき、この式を恒等式という。

  • 恒等式の性質

等式の証明
等式の証明

等式を証明するには下記パターンをまず覚える。

  1. を変形してを導く。またはを変形してを導く。
  2. をそれぞれ変形し、同じ式になることを示す。
  3. を示す。
条件付きの等式の証明
  • 比の値

に対してをその比の値という。

不等式の証明
不等式の証明
  • 実数の大小関係の基本性質

  • 大小の判定

つの実数の大小は、差の正負によって定まる。

  • 実数の平方

が正、負、0のどのような実数であっても。ここで等号が成り立つのはのとき。

相加平均と相乗平均
  • 相加平均、相乗平均

つの数に対しての相加平均という。
のときを相乗平均という。

  • 相加平均、相乗平均の関係

のとき。等号が成り立つのはのとき。

上記関係はのときも成り立つ。

平方の大小
  • 平方の大小

のとき

上記関係はのときも成り立つ。

高次方程式

複素数
虚数単位i
  • 虚数単位 ( imaginary unit )

平方してとなる数。記号で表す。また文字と同じように計算する。

一般にのとき

  • 負の数の平方根

のとき特に

  • 2次方程式の解

虚数にまで拡張して考えると、実数kの符号にかかわらず

複素数
  • 複素数、実部、虚部、虚数、純虚数

つの実数を用いての形で表される数を考え、これを複素数という。
をその実部、を虚部という。
のときは実数ではなく、実数でない複素数を虚数という。
とくにのとき、の形の虚数を純虚数という。

複素数の相等

複素数の計算
  • 共役な複素数

複素数に対して、虚部の符号を変えた数と共役な複素数という。とくに実数と共役な複素数は自身。

一般に複素数の計算について次のことがいえる。
1. 複素数の四則計算の結果はまた複素数である。
2. 複素数の積について

虚数については大小関係や正負は考えない。

√-aを含む計算

として計算する。

2次方程式
解の公式

実数を係数とするは複素数の範囲まで考えると必ず解を持つ。

  • 2次方程式の解の公式

判別式
  • 実数解・虚数解

方程式の解が実数のとき実数解、虚数のとき虚数解という。

  • 2次方程式の解の種類の判別

2次方程式の判別式について

2次方程式の解と係数の関係
2次方程式の解と係数の関係
  • 2次方程式の解と係数の関係

2次方程式つの解をとすると

2次式の因数分解
  • 解と因数分解

2次方程式つの解をとすると

2数を解とする2次方程式

つの数を解とする次方程式の左辺を展開するととなる。よって和、積のときを解とする次方程式のつはとなる。

剰余の定理と因数定理
剰余の定理
  • 剰余の定理

整式で割ったときの余りはである。


一般に整式次式で割ったときの商を、余りをとすると、は定数で、が成り立つ。ここでを代入すると

となり、で割ったときの余りである。


この定理により割り算をせずに余りを求めることができる。

因数定理
  • 因数定理

整式について


剰余の定理において余りがのときであるからのときで割り切れる。


  • 組立除法

参考サイト組立除法のやり方と例題3問 | 高校数学の美しい物語を参照。

高次方程式
  • 高次方程式

の整式次式のとき、次方程式という。次以上の方程式を高次方程式という。

乗してとなる数を乗根または立方根という。複素数の範囲では下記つ。

一般に次方程式は複素数の範囲で必ず個の解をもつことが知られている。

一般に実数を係数とする次方程式の解のつが虚数ならば、それと共益な複素数も解である。

参考サイト

  • 初等整数論/パスカルの三角形 - Wikibooks
    わたしがよんで一番分かりやすかった二項定理の解説。助かりました! でも順列から組み合わせの値を計算するところ、もっと加筆した方がいいと思います。解説のレベルをずいぶん基礎まで丁寧に書いているのに、なんで順列から組み合わせの以降の部分の説明だけはしょったんでしょう?

  • パスカルの三角形

  • パスカルの三角形 - Wikipedia
    パスカルの三角形は級数展開でも使う重要な定理です。でもわたし、あまり慣れてないんですよね。いろんな記事があるのでよく読んでぜひ慣れましょう。

  • 解析学のビブリオグラフィー
    そろそろもう一段上の数学のいい教科書がないかさがしていたところ、ヒット。めちゃめちゃ沢山の本があげられています。筆者は全部読んでるようです。すごいです。

  • ジャパリペディア - Chrome ウェブストア
    これであなたもじゃぱりとしょかんのふれんずなんだね!

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